全ては、掌の中


updated 2016-09-17

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全ては、掌の中



うざい。
うざすぎる。
いい加減にしろってんだ。
あのストーカー属性だけなかったら完璧なのに。
サスケは思わずため息を吐いた。

お願いだから、人が寝ている時に襲ってくるのは止めて欲しいものだ。
毎晩結界を張ってトラップを設置しても駄目だった。
無理矢理力技で結界を壊して、トラップを避けて自分に襲い掛かる
やつには呆れてモノも言えなくなっている。


* * *


この前、好きだと告白された。

「友達」としての「好き」ではなく、「恋人」としての「好き」だと
切実な視線で訴えられた。
サスケはそのナルトの視線に、降伏を宣言するしかなかった。
相手に友達以上の感情を持っているのは自分も同じだったから。
告白を受け入れて、事故ではない初めてのキスを交わした。
これからの二人が少し恥ずかしかったけど、幸せになろうと思った。
そこまではいい。
しかし、その当日の夜からセックスを要求する事には流石に引いた。
いくら相思相愛で、長い間我慢してきたとしても
いきなり抱かせろって、常識ハズレにも程がある。
拒絶したら、急にナルトの目の色が変わってサスケに襲い掛かった。
危うくやられる所だった。
その時は何とか危機を押し切って逃げて来たけど、
それがナルトの負けず嫌いな本能に火を付けたのか、
それからナルトは発情期の獣のような勢いで夜毎に襲って来る事になった。

このままでは身体が持たなくなる。
いい加減にしないと別れると脅迫もしてみたけど、通用しなかった。
オレが好きなくせに嘘吐いてんじゃないってばよと
にやけるやつがむかついたけど、事実だから言い返す言葉もなかった。




それで、悩みに悩んだ末に相談に来たら、この食えねぇ元先生というやらは
先からお腹を抱えて笑ってるばかりではないか。


「だから、お前からナルトに一語くらい添えてくれよ。お前の言葉ならあのウスラトンカチも少しは…」

「無理無理。ナルトがオレの言葉を大人しく聞く?それもお前さんの事で?
 絶対無理。聞かないよ、あいつ。ここはサスケ、お前が諦めるしかないね。」

「は?何を諦めるんだ!」

「無駄な足掻き。諦めてやらせてやれよ。あいつはしつこいぞ?」

「できるかー!だから、わざわざこうやって…!!」

「はいはい、わかった。取り合えず、一回だけやれせてみれば?
 ナルトもお前がずっと断るからムキになっているだけかも知れないし。ね?」

「…そうなのか?」

「……そうかもよ?」

「…わかった。考えてみる。」



意外とすんなり提案を受け入れて帰るサスケの後ろ姿を眺めながら
カカシは窓の外で蹲っていた誰かに声をかけた。

「お前のシナリオ通りになったな。ナルト。」

「へへっ、ありがとうだってばよ、カカシ先生!」

「…ま、せいぜい頑張れよ。これ以上痴話喧嘩に巻き込まれるのはごめんだ。」

「了解!じゃ、うずまきナルト、只今参戦だってばよ!待ってろ、サスケ!!」



矢の如しの速さで遠のいていくナルトのチャクラを感じて、
カカシはサスケに憐憫を感じずにはいられなかった。
あの気勢ならサスケは今夜大変だろうな…
サスケの体力が持ってくれるならいいけど。


そんな事を考えなからも、カカシは明日からの長期任務に備えて着々と荷造りを始めた。
今度の任務が長引く事を祈りながら…



『Everyday I Miss You』の Asurabi 様 より、お誕生日のお祝いに頂きました^^

きゃーーーーvvv思いがけないBDプレゼントに感激しきりです(≧▽≦)
まさかまさか!Asurabiさんからこんな素晴らしいSSを頂けるとは夢にも思わず!!!
“友達以上・恋人未満” な関係から “相思相愛” になるプロローグ部分が お話の素敵なエスプリになっていて、
どんどんストーリーに惹き込まれるように 一気に拝読させて頂きました☆
ラブコメテイストたっぷりの、そんなふたりのドタバタコメディ♪
巻き込まれたカカシが不憫ですが(笑)、カカシの意見を素直に聞き入れているサスケも可愛かったです〜(*´艸`) 

ほんとうに 本当に 嬉しかったです!!!
Asurabiさん、心のこもったナルサスSS。本当にありがとうございました!!! 感涙!


 ▼ Everyday I Miss You/Asurabi 様[NARUTO(ナルサス)]